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今年の夏、はじめて歌舞伎を観た

 

今年は人生初の歌舞伎を観たのだった。

 

天日坊(てんにちぼう)

演出・美術/串田和美

脚本/宮藤官九郎

主演/中村勘九郎中村七之助中村獅童

 

2012.7.16 まつもと市民芸術館

 

今年の夏、東京では渋谷シアターコクーンで上演され(コクーン歌舞伎)、その後、松本で「信州まつもと大歌舞伎」として上演された。

歌舞伎ってどんなものかと初めて足を運んだ。雰囲気を味わうだけでもと¥2000の席。

ライブで何かを観るのは本当に久しぶりで、3階の遠い席だったけれど楽しんだ。

脚本がクドカンで、台詞に「マジで?」とかあったりして「これぞ歌舞伎」って舞台ではなかったかも知れないけれど、突き刺さるような拍子木の音はまぎれもない歌舞伎だった。

 

12月、勘三郎さんの悲報。驚いた。

7月18日、天日坊の千秋楽、サプライズで出演した松本での舞台が最後となってしまった。先日の追悼番組で見たけれど、物語最後に一瞬登場しただけだった。それが最後なんて無念だ。まだまだこれからの活躍をたくさんの人が望んでいたし、なによりご本人だって…と思う。

 

 

ちょっと思い出したこと。

 

学生の時、授業の初日に、自分がこの専攻を学んで将来どうしたいかを30人くらいのクラスの皆の前でひとりずつ発言する、という時間があった。

ひとりの女子が、最期は大勢の人に囲まれて死にたい、と言った。もちろん冗談で。

皆が笑い始めると同時に、おまえふざけんなと教授がキレた。

冗談を言いたくなるような空気は一瞬で凍り付いた。

和やかな語り口調だった人が見事に別人のようになって、あぁこのセンセイの怒りのスイッチわからん気をつけよーと、その時はただ思った。

 

冗談でも受け流せなかったのだろう。

前途有望な学生がいきなり自分の死の話をするなんて。

 

それにしても、自分の死に大勢集まってほしいなんてまったく思わない。

ひとりでも居ればいいと思う。ただ、それすら叶わない人も現実にいるのは怖い。

だからと言って、望んでどうなることではないと思う。